マックブラシ(mackbrush)は1891年にアメリカで立ち上げられた歴史あるブラシ(筆)メーカーです。主な用途はカスタムペイント等でよく用いられる「ピンストライプ」用のオリジナルブラシです。マックブラシの特徴として、アメリカのミシガン州ジョーンズビルにて、機械は一切使用されずに職人の手作業によって生産されています。
また、使用される材料としては天然の獣毛(リス毛)が使用されており、独特の使用感から北米を中心に多くのピンストライパーに支持されています。
マックブラシは多くの有名なピンストライパーの協力の元で作られており、彼らの独自の知見が取り入れられたブラシは、彼らの技術を再現するのに非常に役立ちます。
②ピンストライプとは?
ピンストライプとは、専用のブラシを使用して独特のピンストライプ模様を描くことを指します。フリーハンドで描かれたとは到底思えない美しいピンストライプに、あなたも挑戦してみませんか?
百聞は一見に如かず!!ということで、こちらの動画をご覧ください。TwentyTwo-Four様のYoutubeは、初めてピンストライプを始める方にも解り易く、練習の方法やコツなども細かく解説しておられます。オススメの動画なので、是非ご覧ください。
まずブラシの選び方の前提として知っておきたいのは、ブラシの後ろにある番号です。
★番号が大きいほど、毛先も柄も太いブラシになります。例えば、SERIES20 のブラシは000が一番細く、5が一番太くなっています。※0が多くなると、より細くなっていきます。例えば、0より000の方が細いブラシになります。
上の動画の中でも紹介されていますが、まず初心者の方にオススメなのはこちらです。よくメディア等で目にされるのは、恐らくこのブラシだと思われます。マックブラシの中でも最もスタンダードなブラシで、まずはこれを手に取ってみて、ラインを描いてみて、必要に応じて他の様々なブラシをお試し頂くのが良いと思います。
同様に上の動画で紹介されていましたが、こちらは文字を書く用途(レタリングといいます)で重宝するブラシになります。特徴としては、毛先が平筆になっており、文字を書くのに適した長さに最適化されています。
このQ/M-Gのシリーズが選ばれる理由としては、毛足が他のレタリングブラシよりも長くなっており、塗料の含みが良く安定したラインを長く描くことが出来ます。また、筆自体が軽いため取り回しが良く、ぼかしや細かい作業にも最適です。
こちらも動画で紹介されていましたね。このブラシは、Series1961という筆で、アウトライナー(ピンストライプのアウトライン=外枠を描くブラシ)に分類されます。こういったアウトライナーで描きたい大体のラインを予め引いておき、そのラインに合わせて本番のブラシで一気に描き切るのがコツです。
アウトライナーは様々な筆があり、使い手によってお勧めのブラシも変わります。ご自分の手に馴染むブラシを是非見つけてくださいね。
その他のアウトライナーはこちら→アウトライナー一覧
初心者向けのブラシでは満足できなかったり、他にもいろんなブラシを触ってみたい!という方はこちらからどうぞ。様々な種類のブラシが並んでいるので、きっと好みのブラシが見つかるはずです。
マックブラシと言えばこれ!という、特徴的な短い柄を持ったブラシが揃うのはこのカテゴリーです。最初の一本としてもオススメなブラシがずらりと並んでいますし、それぞれに太さの設定がありますので、自分に合ったブラシを選んだり、用途に合ったブラシをお選び頂けます。
ピンストライプにおけるスクロールとは、一つの線の中に強弱(太い線や細い線)をつけたり、ブラシ自体をくるくると回転させながら描く手法のことを指します。他種のブラシには基本的に向きがありますが、このスクロールブラシには向きがないのが特徴です。また、毛先が細くなっているため、毛先で書けば細い線を、ブラシの腹(根元に近い部分)を使用して書けば太い線を描くことが出来ます。また、スクロールブラシはアーティストモデル(ピンストライプアーティストが開発に協力している物)が多いのも特徴です。
シグネチャーブラシは、その名の通りサイン等の文字を描くのに適したブラシです。文字を描くのに適しているだけで、模様を描くことは勿論可能ですし、最近の主な用途はピンストライプの細部の修正等によく使われるそうです。柄が短い物が多く、ちょうどソードブラシとレタリングブラシ(レタリングブラシは柄が長い物が多く、文字を書くのに最適)の中間的な立ち位置と言えるでしょう。
レタリングブラシはレター・・・つまり手紙を書く=格好良く文字を書くのに最適なブラシです。シグネチャーブラシは柄が短い物が多かったですが、こちらのレタリングブラシは柄が長く、俗に言う鉛筆持ちで文字を書くのに向いています。様々な太さのブラシが揃っていますので、描きたい文字の太さに合わせて選んでください。
フラットブラシは読んで字の如く、毛先がフラットになっているブラシです。主な使い方は、広い面積を塗りつぶしたり、ゴシック体の文字を描く際に用いることが多いようです。また、ホコリ取り等にも使用出来るため、用途に応じて数本持っていると重宝します。
アウトライナーの主な特徴としては、毛足が長く細い物が多いため、文字通り「細いラインでデザインのアウトライン(概要)を描く」ためのブラシと言えます。とは言え、シグネチャーブラシやレタリングブラシとの明確な境界線が無いため、文字を書いたり細かな部分の修正等にもお使い頂けます。
スクリプトブラシは、スクリプト書体の文字を描くのに適したブラシです。流れるような筆跡が特徴のスクリプト書体はスクリプトブラシと非常に相性が良く、是非お試し頂きたいブラシが揃っています。勿論、スクリプト書体の描画以外に、細かな修正等にもお使い頂けます。
⑥使用されている原毛
(1)リス毛
リス毛は繊細で柔らかく、ブラシ運びが滑らかです。また塗料の含みが良く、サイズの大きなピンストライプを描く際に途中でかすれたりといった問題がおきにくく、多くのブラシで採用されています。マックブラシでは、灰リスの毛が多く使われています。
(2)合成繊維
合成繊維(ナイロン、ポリエステル等)の素材を使用したブラシです。特徴としては、リス毛に比べると塗料含みは劣ります(リス毛等の獣毛には毛の一本ずつに細かな凹凸がありますが、合成繊維には凹凸が無いため)が、ブラシにコシを持たせたり品質の安定化を図るために使用されることが多いようです。
(3)タクロン(デュポン製合成繊維)
タクロンはデュポンが開発した、天然獣毛のように先が細くなっている、ポリエステル繊維で出来たブラシです。人気の444 Virusと444 VirusⅡが代表的なブラシですが、ソフトタクロンはタクロンに比べて軟毛仕様のため、自分の感性や用途に合った筆を選んでください。
(4)セーブル毛
セーブルとは、日本で言うところのイタチや、海外でのコリンスキー等の総称(動物)です。そのセーブルの毛を使用したセーブル毛のブラシは、柔らかく、水を含むと膨張し大量の塗料を含むことが出来ます。そのためリス毛に勝るとも劣らない、大きな模様を一筆書きで描くことが出来ます。他の獣毛に比べて高価なこともセーブル毛の特徴です。
※セーブル毛を筆の一部に使用したブラシも、この項に含めています。
series 818 Red Sable Lettering & Showcard
Series Wizard Scribe Lettering Quill (※合成セーブル毛を使用しています)
Series 1961 Mack & Meyer Mop (※人工セーブル毛を使用しています)
⑦マックブラシ開発ストーリー
Mack Brushには、著名なピンストライパーが開発に協力しているブラシがいくつもあります。ここは、それらのブラシの開発ストーリーを紹介していくページです。
Tidewell Brushes M/T 6 piece set